時折り日常の自分を消し去って、見知らぬ古い町に身を置いてみたくなる。
宮崎県日向市美々津。江戸時代、高鍋藩の港町として賑わった佇まいが凝縮されて
残った町だ。重要伝統的建築物保存地区(重伝建)にも指定された美々津は
耳川の河口に面した海岸段丘を巧みに利用して地割が造成された。
国道10号線に近い上段から上町、中町、下町と分かりやすい町名が付与されており、
上町には高鍋藩の番所や役人屋敷、中町は廻船問屋や船大工町、そして最も海岸に
近い下町には廻船従事者が多く住んでいた。もと廻船問屋の「河内屋」の建物が現在
歴史民俗資料館として活用されている。最初にここで港町の歴史に触れてから
町をそぞろ歩けば遠い江戸期の殷賑を想像することができるかも知れない。
河内屋という屋号が示すように、ここは京阪神を発した瀬戸内航路の廻船が
最後に辿りつく港町だった。
宮崎はソラシドエアの本拠地。どうせならソラシドで訪ねて4みたい。