加計呂麻島(かけろまじま)ってどこなんだ、と思われる方も大いに違いない。
鹿児島県奄美大島のすぐ南に狭い海峡を隔ててある面積77平方キロの島である。
地図で見ると海岸線が異様に入り組んでいて複雑な地形であることがわかる。
この島の中に集落が30か所近く点在しており人口は1600人を数える。
とりたてて有名な観光地はない。しかしデイゴの並木道やガジュマルの巨木
など亜熱帯の植物相による景観がこの島独特の雰囲気を醸し出している。
またレンタカーで島の隅々をまわればどこでも美しいリアス式海岸が望まれる。
当然あちこちにダイビングスポットがあり冬でもダイビングを楽しむことが出来る。
映画『男はつらいよ』の最終作で渥美清の遺作となった第48話の舞台となった。
またNHKドラマ『島の先生』のロケ地でもある。しかし筆者にとっては何よりも
作家島尾敏雄が自らの特攻潜水艇体験から生み出した『出発は遂に訪れず』
の島との印象が強い。
この島へ行くなら最低3泊は取って「なにもしない」ボーッとした休日を過ごして
ほしい。奄美大島への旅は沖縄に比較して割高の感が否めなかったがLCC
であるバニラエアが就航したことにより状況が変わってきた。今がチャンスかも
知れない。