現在日本国内で唯一河川敷に設置された空港である。1963年に純粋な民間
飛行場として開港。小松空港同様北陸新幹線の開業により利用客の確保に追われ
ている。

富山市中心部から7km、バスでも20分という「近い」空港である。神通川右岸の
河川敷に滑走路とエプロン、堤防を隔てた河川敷外にターミナルビルがあるという
変則的な構造となっている。このためこの空港のボーディングブリッジは堤防を越える
ために異様な長さとなっている。また細長い河川敷にあるため滑走路に平行する誘導路が
設置できず飛行機は離陸、着陸とも滑走路を移動し、末端にあるターニングパッドと
呼ばれる折返し用区画でUターンする。愛称富山きときと空港。「きときと」とは富山弁で
新鮮な、という意味。天然の生簀とも言われる富山湾や日本海がもたらす海の幸の
きときとさが食の面での最大のウリだろう。寒ブリ、ベニズワイガニ、ホタルイカ、岩牡蠣など
魅力的な魚介類が目白押しだ。ブリの寿司やマスの寿司という押し寿司も捨てがたい。

合掌造りの五箇山、宇奈月温泉や黒部渓谷と立山連峰など一級の観光資源にも恵まれており
富山県の観光は魅力に富んでいる。ただ富山空港からの国内航空路線は
羽田と新千歳だけであり、就航会社も全日空(ANA)だけなので、このままでは
新幹線に押されて先細りすることは目に見えている。国際線によるインバウンド需要も
多少は見込めるだろうが、やはり国内線での工夫が空港存続の必須条件となるだろう。